メンタルモデル

メンタルモデルを考慮した「理解しやすい文章」の書き方についてまとめてみた

メンタルモデルとは・・・認知心理学で扱われる非常に重要な要素の一つで、人が「何かしらのモノやヒト」に対して持っているイメージ(仮説)のことを指します。

要は、「これは、こういうモノだろう」とか「このヒトは、こういうヒトだろう」と心のなかで思うことです。

※「認知心理学」とは、人間の認知活動(見る,聞く,覚える,考えるなど)について研究する心理学の一分野です。

この「メンタルモデル」は、ヒトが「何かしらの情報」を認識するさいや、何かしらの意思決定をおこなうさいに、非常に大きな影響を与えています。

以下に、例を出しましょう。

「Aさん」と「Bさん」の二人が一緒に歩いていたとします。その時、前方に犬が現れました。

「Aさん」は過去に「犬に噛まれて大怪我をした経験」から、犬の事を危険視しています。
一方「Bさん」は、小さい頃から犬を飼っていて、犬のことが大好きです。

このとき、「Aさん」は反射的にその犬を避けようとしました。
一方「Bさん」は、その犬に寄っていき愛撫をしました。

上記の例では、前方で「犬」が歩いていたという事実は全く一緒なのに、二人がとった行動は歴然とした違いがあります。

これは、二人の「過去の経験」によって形成されたメンタルモデルが起因して、このような違いを生んだのです。

このように、ヒトの認識や行動に大きく影響をあたえるのが「メンタルモデル」なのです。

もちろん、ヒトが本や雑誌で記載されている「文章」を読んでいく際にも、「メンタルモデル」というのは大きく影響しています。

そこで今回の記事では、この「メンタルモデル」を考慮した「理解しやすい文章」の書き方について、順に解説していきます。

以下、目次になります。

  • 「読み手のメンタルモデル」の理解
  • メンタルモデルを考慮した「読みやすい文章」の書き方

「読み手のメンタルモデル」の理解

読み手 メンタルモデル

上述している通り、「メンタルモデル」というのは、人が「何かしらの情報」に対して持っているイメージ(仮説)のことです。

そして、この「メンタルモデル」によって、ヒトの認識や行動は大きな影響を受けています。

これは「文章を読むこと」に対しても同じことがいえます。

ヒトは「文章」を読む際、このメンタルモデルに照らし合わせて情報を処理していきます。

なので、文章の内容と「メンタルモデル」に矛盾がなく整合している場合、読み手はスムーズに理解することができます。
逆に、文章の内容とメンタルモデルが矛盾していた場合、読み手はメンタルモデルを「再構築」しなければなりません。
その分、読み手の理解する作業に負担が掛かり「理解しづらい」状態となります。

ヒドイ場合は、メンタルモデルの「再構築」がおこなえず、「分かりません!!」となってしまいます。

例をだしましょう。

仮に、文章のタイトルが「ブログのアクセス数を上げるための方法」となっており、本文には、その具体的な方法が下記二つにまとめられているとします。

・SEO対策をして、検索エンジンからのアクセスをあげる方法
・Facebookなどのソーシャルメディアを利用してアクセスをあげる方法

この時、読み手は、過去にFacebookを活用した集客を経験したこともあり、二つ目に関してはスムーズに理解していくことができました。

ですが、「SEO」については、言葉の意味すら分からない状態から読んでいったため、文章の内容を理解するのに非常に時間と負担が掛かってしまいました。

※「seo」については、こちらで解説しています→SEO対策とは

上記を「メンタルモデル」的に解説していくと、

読者は、過去の経験から「Facebookなどのソーシャルメディアを利用してアクセスをあげる方法」については、メンタルモデルが形成されていたため、文章の内容を予測しながら読み進めていくことができ、スムーズに理解することができています。

また、この時メンタルモデルに形成されている情報と「文章の内容」に矛盾がなかったため、(読者の)予測通りに話しが展開されていき、メンタルモデルの再構築をする必要もありませんでした。

一方、「SEO」に関しては、読者のメンタルモデルが形成されていなかったため、「SEO」に対してのメンタルモデルを構築するところから始めなければなりません。

なので、その分読者への負担が掛かっています。

ですが、幸いにも読者は「Google(検索エンジン)」を普段から利用していたため、「検索エンジン」に対してのメンタルモデルは形成されていました。

なので、「SEO」を理解する際も「理解できない、、、」という状況は免れたのです(SEOを理解するには、検索エンジンの理解が必須なため)

もしこの時、読者が「検索エンジン」に対してのメンタルモデルも無ければ、「SEO」についての文章を理解することはできなかったでしょう。

メンタルモデルがない 理解できない

このように、読者は「文章の内容」についてのメンタルモデルがあるかないかで、理解度に大きく差がでてしまうのです。

なので、「理解しやすい文章」にするためには、読み手の「メンタルモデル」を考慮して文章を書いていかなければなりません。

そのポイントについて、次章では解説していきます。

メンタルモデルを考慮した「読みやすい文章」の書き方

メンタルモデル 読みやすい文章

上述しているとおり、読者は「文章の内容」についてのメンタルモデルがあるかないかで、理解度に大きく差がでてしまいます。

なので、文章を書く際の基本は

  • 読み手が容易に理解できる言葉を用いる
  • 読み手が知らなそうな言葉については、あらかじめ解説をしておく

この二点が、まず基本になります。

また、「読みやすさ」を考慮した場合、文章の構成も非常に重要になります。

”どこに何が書かれている” ・・・といったことが明確な文章構成であれば、読者に

”ココの章では、SEOに関しての内容が書かれている” といった「メンタルモデル」を形成させることができます。

こうすることで、文章を読む時に

「ここは、●●●に関しての内容」・「ここは、■■■に関しての内容」といった具合に、あらすじを把握した上で読み進めることができるので、スムーズに理解することができます。

このような文章構成を「パラグラフ構成」と呼びます。
パラグラフ構成については、下記にて詳しく解説しています。

パラグラフ(paragraph)とは?文章の段落構成を最適化することで読みやすい文章にしてみた

パラグラフ構成のポイントだけ簡単にまとめると、下記になります。

  • 文章の概要を最初に述べる
  • 1つのパラグラフでは、1つのこと(1トピック)のみ述べる
  • 各パラグラフには、それぞれの要約を最初に述べる

以上です。

まとめ

今回の記事では、読み手のメンタルモデルを考慮した「読みやすい文章」の書き方について、順に解説してきました。

上述している通り、読み手のメンタルモデルを考慮することで、読み手は文章の展開を予測しながら読み進めることができるので、読み手の負担が少ない「読みやすい文章」となります。

なので、ビジネス文書やブログ記事コンテンツを書く機会のある人は、ぜひ意識して書いてみてください。

また、別記事で「分かりやすい文章」と「説得力のある文章」の書き方についてもまとめていますので、ぜひ読んでおいてください(下記)

文章の書き方で4つのポイントを守ったら、1記事で1日500人以上の方に読まれるようになった

文章力(説得力)を向上させるためにやっておくべき「13の基本」についてまとめてみた

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