起承転結

起承転結とは?起承転結がビジネス文章に向いていない理由をまとめてみた

起承転結とは・・・一般的に小説や漫画など「物語の文章(ストーリー)」を書くさいに用いられる文章構成のことで、「起」「承」「転」「結」と、4段構成になっている特徴があります。

この「起承転結」というのは、元々は古代中国からきていて、漢詩の絶句の構成が、もともとの由来になります。

漢詩というのは、漢字で表された「詩」のことで、絶句というのは、この漢詩を4行で表し、1行ごとに、「起句」「承句」「転句」「結句」と構成されたものを指します。

漢詩の絶句

それぞれの句については、下記のように説明があります。

・第一句(起句)で、うたい起こし、
・第二句(承句)で、これを受けて発展させ、
・第三句(転句)で、場面や視点を転じ、
・第四句(結句)で、これらを受けつつ全体を締めくくる。

「起承転結」というのは、この絶句の構成から来ているものなのです。

今回の記事では、この「起承転結」について、例文を交えた各要素の解説と、この文章構成がビジネス文書に向いていない理由について順に解説していきます。

以下、目次になります。

  • 起承転結の文章構成について
  • 起承転結がビジネス文書に向いていない理由について

起承転結の文章構成について

起承転結 文章構成の詳細

上述している通り、「起承転結」とは、小説や漫画など「物語のストーリー」を書くさいに用いられる文章構成となります。

例えば、

・魔王が支配していた世界で、一人の勇者が立ち上がり、魔王から世界を取り戻すストーリー
・最初は、お互いに険悪な仲だったのが、徐々に惹かれていく恋愛ストーリー
・クラスで、最も「いじめられっこ」だった奴が、クラスの人気者に変身していくストーリー

このように、「物語のストーリー」とは、ある状態から別の状態へ変化していく過程が描かれているのです。

この変化の過程を構成するのに、最も基本的なものが「起承転結」なわけです。

では、起承転結の4つの構成について、それぞれどのような役割を持っているのか、順に解説していきましょう。

  • 【起】

    ・ストーリーの舞台や状況の紹介
    ・主人公と、主な登場人物の紹介
    ・読み手に分かるように、物語の方向性を提示する(どんな物語が展開してゆくのか、読者がイメージできるように)

    「ポイント」:ストーリを構成する際、最初と最後の変化量(ギャップ)が大きければ大きいほど良いです。
    なので、例えば「主人公の男は、本当は心の優しい男だった。」と結論にしたい場合は、最初の段階では、自己中で冷たい人間設定にしておくと良いでしょう。

  • 【承】

    「承」では、「起」で述べている内容をさらに発展させる部分になります。

    例えば、「ももたろう」であれば、サルやキジ・犬などの仲間を増やしていく段階になります。

    また、もう一点重要なのが、次の「転」への伏線を設定しなければなりません。

    「転」で起きる変化が、なぜ起こるのか・・・

    ここを、読者が納得できるように理由付けしていくのです。

    例えば、「主人公の男は、本当は心の優しい男だった。」と「転・結」で設定する場合、主人公の過去の話しなどを紹介して、読み手に「実はイイ奴なのか・・・」といった事を想起させる必要があります。

    「ポイント」:ストーリー全体の分量で見ると、「承」の部分は全体の「7~8割」ほどを構成するのが妥当とされています。

  • 【転】

    当項目は、読者の注目(緊張感)を、最大限引き出す「変化」を起こす部分になり、ストーリー内で、最も盛り上がりをみせる部分になります。

  • 【結】

    「転」において、決定的な「変化」が起こったあとの部分で、ストーリーを締めくくる部分になります。

    「ポイント」:読者に「転」での変化を再確認させ、その(変化の)意味を改めて認識させるようにしてください。
    ストーリーの舞台や登場人物がどのように変わっていったのか・・・また、変わらないまま残っているものは何かを表現するようにしましょう。

以上、「起承転結」のそれぞれの要素の説明でした。

上記を考慮して、簡単に「例文」を作ったので参考にしてください。

起承転結 例文

  • 「起」

    ・魔王が降臨し、魔王が生み出したモンスターがそこらじゅうで暴れ回る
    ・昔、伝説の勇者であった父の息子である少年が立ち上がる

  • 「承」

    ・師匠や同志と出会い、修行に励みながら、モンスターたちを倒していく
    ・中ボスとの苦しい戦いや、戦いの中で師匠との生き別れを経験する

  • 「転」

    ・魔王のところに辿りつき、最終決戦を迎える
    ・苦しい状況の中、生き別れした師匠が合流する

  • 「結」

    ・師匠・仲間と協力して、魔王を倒す
    ・世界に平和が戻り、少年は英雄になる

かなりザックリまとめましたが、このような形でストーリーを構成していくのが「起承転結」の文章構成になります。

起承転結がビジネス文書に向いていない理由について

起承転結 ビジネス文書に不向きな理由

上述している通り、「起承転結」というのは「物語のストーリー」に向いている文章構成になります。

ですが、この「起承転結」は、ビジネス文書には不向きな文章構成となります。

その理由は、「読み手」を想像すれば、おのずと答えは出てくるでしょう。

小説やマンガを読む読者というのは、自らそのマンガを読みたいと思っています。
そして、予測できない話の展開やその結論を楽しみながら、読んでいるのです。

一方、ビジネス文書というのは、進んで読みたいと思う人はいないでしょう。
必要な情報で読まなければならないから、仕方なく読んでいるのです。

なので、読み手が求める「ビジネス文書」というのは、読んですぐに「文章の要約である結論」が分かることと、読み進めやすい文章であることです。

そのため「起承転結」のように、結論が最後にくる構成というのは向いていないのです。

また「転」の部分に該当する「予測もできない面白い展開」など、ビジネス文書にあってはいけません。
そもそも、内容を予測できない時点で失格です。

ビジネス文書では、読み手が読み進めやすいように「文章の論理の流れ」が明確になっており、予測しながら読み進められるようになってなければいけないのです。

こうすることで、「読み手」は短時間で必要な情報を認識することができます。

※ビジネス文書に最適化された文章構成や、文章の書き方については下記記事で解説しています。

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