ベネフィット(benefit)とは・・・直訳すると「利益」や「役に立つ」といった意味になります。
この「ベネフィット」という言葉、マーケティング用語としても使われ、「顧客が、商品(サービス)を購入することで、得られる利益」と定義することができます。
もっと言えば、「顧客が、商品(サービス)を購入し、使うことで得られる ”未来像” 」ともいえます。
要は、お客さまが、その商品を購入する事で、どんな良い事が待っているのか・・・
この「良い事」がベネフィットなんですね。
よく言われる格言に下記のようなモノがあります。
これは、「人は製品そのものを買うのではなく、製品のもたらす恩恵(ベネフィット)の期待を買う」ということを、表した格言であります。
人が、何らかの商品(サービス)を購入する上で、最も重要視しているのは、この「ベネフィット」なのです。
商品やサービスの売れ行きに困っているという経営者の方や、マーケッターの方は、この「ベネフィット」の重要性について、理解していないように思います。
そこで、今回の記事では、マーケティングの側面で、「ベネフィット(benefit)」を設定する際の3つのポイントと、ベネフィット以外の、顧客の購買意欲を高めるポイントについて、順に解説しています。
以下、目次になります。
- マーケティングにおいて、「ベネフィット(benefit)」を設定する際の3つのポイント
- ベネフィット(benefit)以外の、顧客の購買意欲を高めるポイント
※購買意欲を高めるポイントについては、こちらでも解説しています→購買意欲を高めるための「色」や、消費者の心理・行動(動向)論についてまとめてみた
マーケティングにおいて、「ベネフィット(benefit)」を設定する際の3つのポイント
マーケティングを、「顧客が、商品を購買する仕組み」と定義した時、その顧客のベネフィットを考えだし、的確に訴求していくことは、最も重要な要素と言えます。
現代では、世の中に出回っている商品やサービスは、供給側があふれており、多くのお客様にとって、選ぶのに迷ってしまう時代です。
したがって、商品やサービスを提供する側で重要となってくることは、いかに対象顧客の悩みや問題を明確化し、その悩みに対して、自社商品の「ベネフィット」を的確に訴求し、自社独自の信頼性(ブランディング)を獲得していくかに掛かっています。
そこで、当章では、顧客が、商品を購買する上で最も重要な「ベネフィット」の設定ポイントを3つに分けて、解説していきます。
以下、目次です。
- ターゲット層の悩み・問題を抽出する
- ターゲット層から「共感」してもらえるストーリを作成する
- 悩みや問題を解決する「ベネフィット」を提示する
1、ターゲット層の悩み・問題を抽出する
ベネフィットを設定するうえで、まず重要になるのが、「ターゲット選定」と選定したターゲットの抱えている悩みや問題の特定です。
なぜなら、「人が何かしらの商品(サービス)を購入する時というのは、何らかの悩みや問題を解決したい時」だからです。
ここでいう「解決内容」がベネフィットなので、まずは、その顧客が抱えている悩みや問題を特定します。
「どのような人が、どのような理由で、どのような悩みを持っているのか・・・」
この部分を、できるだけ具体的に明確化してください。
注意としては、ここが抽象的になってしまうと、それだけ大衆向けとなってしまい、結果、誰の心にも響かないようになってしまいます。
なので、なるべく専門的かつ具体的に「悩みや問題点」を設定してください。
2、ターゲット層から「共感」してもらえるストーリを作成する
ターゲット層の選定ができたら、次はその層から「共感」してもらえるようなストーリーを考えることです。
これは、よりターゲットとした人達に、悩みや問題を自分の事として認識してもらうことと、「ベネフィット」に対しての信頼性を上げる。といった2つの点で、必要なことになります。
では、具体的に、どのようにして「共感」を得ればよいのか?
最も効果的なのが、『ターゲットとする人たちと同じ悩みを抱えていた事』を、述べていく事です。
例えば、「育毛剤」の販売をしているとします。
この時、ターゲットとしては、髪の薄毛や、抜け毛に悩んでいる人達です。
なので、「自分も3か月前までは、抜け毛に悩んでいたんです」ということを、事細かに説明していくことで、ターゲットの「共感」を得ることができるわけですね。
これは、「テレビショッピング」では当たり前の手法で、商品を紹介するまえは、必ず ”同じように悩んでいた人の悩みや状況” というのを紹介しています。
このステップを入れることで、悩みや問題を自分の事として再認識してもらい、「ベネフィット」の価値をより感じてもらうように促せるわけですね。
3、悩みや問題を解決する「ベネフィット」を提示する
ターゲットの悩みや問題を浮き彫りにし、「共感」を得ることができれば、いよいよ「ベネフィット」を提示します。
ここで、最も注意しなければならないのが、「ベネフィット」は、商品の特徴とは違う!ということです。
以下に、良い例と悪い例を出しましょう。
・「300人の信頼と実績があるSEO対策マニュアル」
・「海外事例をいち早く取り入れたSEO対策マニュアル」
・「独自のキーワード選定手法を取り入れたSEO対策マニュアル」
【良い例】
「たった3か月で、10位以内に入るポイントをまとめたSEO対策マニュアル」
「読者の7割が、実際に3か月以内で10位以内に入ったSEO対策マニュアル」
※SEO対策については、こちらで解説しています→SEO対策とは
悪い例は、すべて「商品の特徴や内容を示したモノ」になっています。
逆に、良い例は、ちゃんとベネフィットが示してあります。
この違いが分かりますかね?
一言でいうと、「主語」が商品なのか・顧客(ターゲット)なのか。の違いになります。
「悪い例」は、全て主語が商品になっていますよね。
このように、主語が商品だと、それは「商品の特徴」になってしまうのです。
ベネフィットは、「顧客が、商品を得ることによる利益(恩恵)」です。
最初にも言いましたが、
「ドリルを買いに来た人が求めているものは、ドリルではなく穴である」
これを言い換えれば、顧客が求めているのは、商品そのものではなく、商品を得ることによる恩恵である。といえます。
なので、ベネフィット設定の際は、商品特徴でなく、顧客視点でメリットがあることを訴求できているか。をチェックするようにしてください。
以上、顧客が、商品を購買する上で最も重要な「ベネフィット」の設定ポイントでした。
ベネフィット(benefit)以外の、顧客の購買意欲を高めるポイント
上述しているとおり、顧客が商品を購入する上で最も重要なのが「ベネフィット」です。
ただ、ターゲット選定を明確におこない、ベネフィットを的確に訴求できたとしても、いざ「購入」の段階になると、迷うのが普通です。
そこで、重要なのが、「いかに、そのベネフィット」に対して、「信頼性」や「今、購入しなきゃいけない理由」があるか。といった点です。
例えば、「育毛剤」を購入するシーンを考えてみましょう。
人は、「育毛剤」という商品を購入する際、
「副作用とか怖い、、、」
「人それぞれで効果が違うだろうし」
といった不安や心配を持つでしょう。
ただ、この時に「信頼性」が高ければ高いほど、不安や心配といったマイナス要素を払拭でき、購入へ促すことができます。
この「信頼性」で最も重要なのは、「ブランドイメージ」です。
「育毛剤」であれば、「スカルプD」や「サクセス(success)」が有名ですよね。
有名ということは、それだけ多くの人が使っているということです。
多くの人が使っているという事は、それだけ「信頼性」につながります。
「多くの人が使ってるんだから、間違いないだろう」と思うわけですね。
ただ、ブランドイメージというものを、まだ持っていない会社も多数あります。
というか、そっちの方が圧倒的に多いでしょう。
ですが、ブランドイメージがまだ無くても、「信頼性」を向上させることはできます。
その方法や、「今、購入しなきゃいけない理由」については、下記記事にて解説しているので、ぜひ見ておいてください。
・LPO(ランディングページ最適化)対策で重要な8つのポイントについて
・コンバージョン率(conversion rate)を上げるための6つのポイント
以上です。