三段論法とは・・・「推論」の方式の1つで、「大前提」と「小前提」から「結論」を導く法則のことです。
※「推論」とは、ある事実や前提となる情報をもとにして、推理を重ね「結論」を導きだす事を指します。
この「三段論法」は、古代ギリシアの「アリストテレス」という有名な哲学者が確立した法則になり、現代でも「論理的に物事を思考する」時や、「論理的な文章を作成する」時に、一般的に用いられている法則になります。
※「論理的」とは・・・物事を、一定の法則に従った筋道を立てて考える事を指し、
前提となる条件(情報)から、数学的な一定の法則に従って、矛盾や飛躍のない「結論」を出す考え方となります。
数学で「例え」を出せば分かりやすいでしょう。
「1」と「1」を加算したら「2」になりますよね。
では、「2+3」は・・・?
ここで、「5」と答えた人は、「加算の法則」に従って答えを出しましたよね。
このように、一定の法則に従って「結論」を導き出す事を、論理的と呼びます。
論理的に話しをしたり、論理的に文章をまとめることで、聞き手の理解を促し、説得力を持たせる事ができます。
今回の記事では、このように「論理的」な文章を作成するために、「三段論法」を用いた手順を順に解説していきます。
三段論法を用いた、論理的な文章の作成手順
上述している通り、「三段論法」は、論理的に物事を思考する時や、論理的な文章を作成する時に利用される法則になります。
では、まず「三段論法」を用いた具体的な例文を示しましょう(下記)
【大前提】:全ての人間は死すべきものである。
【小前提】:ソクラテスは人間である。
【結論】:ゆえにソクラテスは死すべきものである。
※ソクラテスというのは哲学者で、当時「アリストテレス」の師匠でした。
上記は、三段論法を用いた最も有名な文になり、よく例文として利用されます。
上記のように「大前提」と「小前提」に対して「結論」があるといった三段構成になり、「大前提」には、”一般的な事象” を定義し、「小前提」には、各々の具体的な事実を定義します。
上記例でいえば、
「人間は死ぬ」という事は、誰もが当たり前の常識として認識していますよね。
なので、「大前提」として定義できます。
また「ソクラテスは人間である」というのは、ソクラテスの事を知っている当事者でないと認識しない事実です。
なので、「小前提」に定義します。
そして、これら二つの前提情報から導き出したのが「ソクラテスは死ぬ」という「結論」になります。
このように、三段構成で物事を考える法則が「三段論法」になるのです。
利用シーンとしては、様々な場面を想定できるでしょう。
例えば、仕事上で上司に、何かしらの報告をする時や、提案書をまとめる時。
また、仕事に限らず「説得力」が要求される場面では、利用すべき法則になります。
例えば、当ブログでは、記事を書く際も「三段論法」を利用した文章にすることを心がけています。
特に意識しているのは、記事の「導入文」の部分です。
記事の「導入文」は、上図のように、読者がタイトルを見たあとに、読み進める部分になり、
読者が「本文」へ読み進めるかどうかの非常に重要な部分になります。
「導入文」で、いかに「本文」の内容が読者にとって有益な情報か示すことができなければ、読者は本文に辿り着くまでに「離脱(ページを離れる)」してしまいます。
なので「導入文」では、タイトルで主張している内容に対して、さらに説得力を上げ、読者の興味をそそる必要があります。
そこで、「三段論法」を利用するのです。
試しに、三段論法を使用した場合と使用してない場合を比べてみましょう(下記)
●【三段論法を使用していない場合】
タイトル:ブログのアクセス数を上げるための6つのポイントについて
ブログのアクセス数を上げるためには、やっておかなければならない6つのポイントがあります。
今回の記事では、これらのポイントを順に解説していきます。
以降、本文。。。
●【三段論法を使用した場合】
タイトル:ブログのアクセス数を上げるための6つのポイントについて
「大前提」:今回解説する「ブログのアクセス数を上げるための6つのポイント」は、Googleがサイト管理者を対象として、公式に公開しているガイドラインの内容を参考にした上で、まとめたノウハウになります。
「小前提」:また当ブログでは、半年前まで1日に100にも至らないアクセス数だったのが、今回解説する6つのポイントを考慮して、ブログ運営をおこなっていったところ、今では1日に3000のアクセスを集めるまでになっています。
「結論」:そこで、Googleが公式に保証していて、当ブログが実際にアクセス数を順調に伸ばしてきた事を踏まえ、今回の記事では「このノウハウ」を6つのポイントに分けて、順に解説していきます。
以降、本文。。。
少し、三段論法の公式からは逸れていますが、それぞれの違いについては明確に分かるでしょう。
このように、三段論法を考慮することで、文章の説得力は格段に上がります。
※文章の説得力を上げるには、他にも様々なポイントがあります。これらに関しては、下記記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
・文章力(説得力)を向上させるためにやっておくべき「13の基本」についてまとめてみた
※一点注意しなければならないのが、「三段論法」は ”論理的な正しさ” は保証しますが、述べている内容の正しさを保証するものではありません。
もし、前提条件となる「大前提」又は「小前提」の内容が間違っている場合は、間違っている情報を述べていることになります。
以下に例を出しましょう。
【大前提】:夜中に食事をとると、太らない
【小前提】:佐藤くんは、夜中に食事をとっている
【結論】:ゆえに佐藤くんは、太らない
上記は、論理的には合っているように見えます。
ですが、述べている内容的には間違っていますよね。
夜中に食事をとるダイエットなんて、聞いた事ありません。
このように、「三段論法」はあくまで物事を論理的に述べる手法であって、内容の正しさを保証するものではないので、注意してください。
以上です。
まとめ
今回の記事では、「三段論法」を用いて、論理的な文章を作成する手順について解説してきました。
論理的な文章を書くことで、読み手にとって分かりやすく説得力のある「文章」になります。
なので、会社で何かしらの報告書や企画書などの「ビジネス文書」を作成するさいには、ぜひ「三段論法」を意識して書くようにしてみてください。
※文章の書き方の基本については、下記にて詳しくまとめていますので、ぜひ確認しておいてください。