ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)とは・・・広告やWebサイト上で、情報発信し、何らかの返答(問い合わせや注文など)が来た消費者に対してのみ、直接的に「商品(サービス)」を販売していく仕組みのことです。
ダイレクトレスポンスマーケティングは、飛び込み営業といった完全にプッシュ型の営業手法と違って、何らかの返答アクションを起こした消費者のみターゲットとするので、非常に効率的で費用対効果が良いのが特徴です。
また、一般的なTVCMなどの広告は、情報発信による認知獲得が主な目的となっていますが、ダイレクトレスポンスマーケティングの特徴は、情報発信とともに、返答アクションを促すような要素を含んでいます。
例えば、通販番組が良い例です。
通販番組というのは、商品を紹介したあと、
必ず「お問合せは今すぐ」・「0120-xxx-xxxx」とアナウンスしていますよね。
これが、「返答アクション」を促す仕組みで、番組を見ている消費者に、「電話でのお問い合わせ」を促しています。
このように、単なる情報発信にとどまらず、消費者の行動を喚起させるといった要素も、ダイレクトレスポンスマーケティングの重要なポイントになります。
さらに、インターネットを最大限活用して、ダイレクトレスポンスマーケティングをおこなう事によって、集客から販売までの営業ステップを、全て自動化させることができ、24時間365日、費用対効果の良いセールスを掛け続けてくれます。
このような事から、この業界では非常に有名人である「神田 昌典(かんだ まさのり)氏」も、ダイレクトレスポンスマーケティングの第一人者として、広く提唱してます。
※神田昌典(かんだ まさのり)氏とは・・・経営コンサルタントで、かつ作家でもあり、ダイレクトレスポンスマーケティング以外でも、「PASONAの法則」など、いくつかの経営・マーケティング手法を体系化してきた人物であります。
今回の記事では、効率的で費用対効果の良い「ダイレクトレスポンスマーケティング」の具体的な仕組み(流れ)について、順に解説していきます。
以下、目次になります。
- ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)の仕組みとは?神田昌典氏も提唱している「営業(広告)手法」について
- ダイレクトレスポンスマーケティングの仕組み「その1」:集客
- ダイレクトレスポンスマーケティングの仕組み「その2」:教育
- ダイレクトレスポンスマーケティングの仕組み「その3」:販売
ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)の仕組みとは?神田昌典氏も提唱している「営業(広告)手法」について
ダイレクト・レスポンス・マーケティングという語源は、もともとは、「ダイレクト・マーケティング」から来ています。
ダイレクト・マーケティングというのは、「メーカーが直接、消費者に商品を提供する営業手法」の事を指します。
昔は、商品を売るのにも、卸や小売店を通さないと、商品を売ることができませんでした。
そこで、メーカー側が考えたのが、顧客の「名前」や「住所」・「電話番号」を知ることで、直接的に商品を販売できると考えたのです。
このような考えから、「ダイレクト・マーケティング」という概念が生まれました。
そして、これをさらに発展させ、消費者側から「名前」や「住所」・「電話番号」を登録してもらえるよう促すことで、さらに効率よく商品を販売する事ができる。
これが、「ダイレクト・レスポンス・マーケティング」というわけですね。
そして、この手法は、インターネットが主流となり、検索エンジンやソーシャルメディアが発展したことで、さらに注目されるようになり、効果的に「ダイレクト・レスポンス・マーケティング」をおこなう「一つの公式」が生まれたのです。
それが、下記になります。
- 【集客(リスト取得)】 : Webサイトや広告を用いて、メールアドレス(リスト)を登録してもらうページに案内し、訪れた訪問者にとって役に立つ「無料プレゼント」を提供し、その対価として「名前」や「アドレス」を登録してもらう
- 【教育】 : メルマガにて、アドレスを登録してくれた消費者に対して、購買意欲を高めるための教育をおこなっていく
- 【販売】 : 教育ステップを経て、購買意欲が高まった見込み客に、商品を販売する
これが、ダイレクト・レスポンス・マーケティングの最も効率的なステップになります。
ここで重要なのが、ちゃんと消費者の購買行動プロセスに合わせて、最終的なクロージング(商品の販売)まで持っていくと言うことです。
例えば、メールアドレスを登録したということは、「無料プレゼント」がほしいという事で、少なからず「最終的に売りたい商品、又はそれに関連する情報」に関して、興味・関心があるということです。
ただ、少し興味・関心を持った段階で、いきなり「商品」を提案されても、購入には至りません。
そこには、購買意欲を高めるための教育課程がないからです。
なので、消費者の購買心理プロセスに合ったアプローチをするのが重要なのです。
では、具体的な各プロセスの内容やポイントについて、順に解説していきましょう。
ダイレクトレスポンスマーケティングの仕組み「その1」:集客
商品を販売しようにも、見込み客が集まらなければ、元も子もありません。
なので、まずは「見込み客」の集客施策が必要になります。
流れとしては、下記のようになります。
- 検索エンジン or ソーシャルメディアから、自社のWebサイト(ブログ)へアクセスを集める。
- 自社サイト(ブログ)へ集まった訪問者を、リスト登録ページヘ案内する。
- リスト登録ページで、無料プレゼントを提供する事を対価として、名前やメールアドレスを入力してもらう。
以上です。上記のステップを経て、見込み客のリストを確保していきます。
各ステップの詳細については、下記にてまとめているので、参考にしてください。
ダイレクトレスポンスマーケティングの仕組み「その2」:メール(メルマガ)にて、消費者を「教育」する
見込み客のリストを獲得できたら、次はその「見込み客」の購買意欲を高めるための「教育」をおこなうことです。
具体的には、「7通」ほどメルマガコンテンツを用意して、7~21日間のあいだで配信しましょう。
メルマガの内容については、配信回数ごとに変えていきます。
具体的には、
-
【信頼関係の構築 : 1~3通】
リストを獲得したら、まずは、読者に「会社(又は、発信者)」の事を信頼してもらう必要があります。
ただ、信頼してもらうといっても、「会社の自慢話」を一方的にするわけではありません。
最初の段階では、読者は「あなたの事なんて興味がないからです」
なので、まずは、「無料プレゼント」のダウンロードに対する感謝を伝えると共に、読者にとって役に立つ情報や、読者が抱えている悩みを解決する情報を届けていくことが重要です。
そうすることによって、「まだ、こんなに有益なことを教えてくれるんだ」・「この会社の情報やノウハウは、本物だ!」と実感してくれます。
そうすることによって、ようやく会社や発信者に対しての興味を持ってもらえる段階までいくのです。
-
【会社(発信者)紹介 : 4~5通】
4、5通目は、「1~3通目」同様、読者の有益となる情報と共に、会社(発信者)の情報を紹介していきましょう。
例えば、「薄毛対策シャンプー」を販売したい場合、実績内容として
・「この薄毛対策シャンプーを使用したAさんは、半年後、このように髪の量が増えています(シャンプーを使用する前と、半年後の写真を提示する)」・「これまでに、このシャンプーの愛用者は1万人を超えています」
といったような実績や、
商品を販売することになった経緯、商品やターゲットとする消費者に抱いている思い。
また、スタッフや、社長の紹介なども良いでしょう。
ここでのポイントは、読者に、「会社(発信者)」のことを、より信頼してもらえるような情報を提供していく事です。
-
【商品紹介 : 6~7通】
この段階では、読者は、あなたの持っているノウハウを本物と感じ、あなた自身にも信頼性を持っています。
なので、ここで、ようやく商品を紹介していくのです。
伝える情報としては、
・ ”今すぐに” あなたの商品やサービスを利用した方が良い理由
・ あなたの商品が優れている点
・ あなたの商品を手にすることによって得られるメリット
・ 読者の抱える問題を、どのように解決するのか。
・ 他社ではなく、あなたの商品を選んだほうが良い理由これらを伝えて、商品の有用性を感じてもらい、読者の購買意欲を高めていきましょう。
-
【無料体験、又は商品販売ページの案内 : 8通目】
8通目は、2つのパターンに別れます(以下)
1つ目 : 商品(サービス)の無料体験や、機能限定版の試用を案内する。
2つ目 : 商品(サービス)購入ページを案内するあなたの商品が、無料体験や、機能限定版の試用ができる場合は、1つ目を推奨します。
人が商品を買う時というのは、値段が高ければ高いほど、どうしても「不安」がつきまとうモノです。
なので、商品購入を促すさいは、この「不安」を払拭する必要があるのですが、それに効果的なのが、期間限定の無料体験や、試用です。
実際に「商品(サービス)」を使ってもらう事によって、見込み客を満足させることができれば、ほぼ「購入」は確定といって良いでしょう。
なので、できるだけ「無料体験や試用」のステップを介すことを推奨します。
ですが、商品(サービス)によっては、「無料体験や試用」ができない場合もあるでしょう。
その場合は、商品購入ページ(ランディングページ)を案内しましょう。
※商品購入ページの内容は、クロージングをする上で、非常に重要な要素です。商品購入ページの作成やポイントに関しては、後述しています。
以上です。
ダイレクトレスポンスマーケティングの「教育」過程は、このようにステップ(配信回数)ごとに、内容を最適化していくことが重要です。
もし、アドレスを登録して、最初のメールから、いきなり「売り込み」をかけてしまうと、あなたのメルマガに対して、有用性が無いと判断し、最悪の場合、二度とあなたのメルマガを見ることはないでしょう。
つまり、本来、お金を払ってくれる顧客になるはずだった人を、みすみす手放してしまうことになるのです。
なので、教育段階では、ステップ(配信回数)ごとに、コンテンツ内容を最適化することが重要です。
※この段階は、一度コンテンツを作成してしまえば、「ステップメール」という自動で発信されるメルマガを利用して、自動化できます。
また、この「教育過程」では、文章の質も非常に重要です。
- 「分かりやすくて、読み進めやすい文章」
- 「中身を読みたくなるような、件名(タイトル)」
- 「最後まで読んでもらえる文章」
- 「文章内容を理解しやすい、文章構成」
- 「次回のメルマガを読んでもらうようにする仕掛け」
このような点を考慮した「文章」を作成していく必要があるのです。
一つ例を出しましょう。
Aさん:「オイルの点検をしましょうか?」
Bさん:「オイルの汚れが、危険なレベルかどうか、チェックしましょうか?」
さあ、あなたはどちらの言葉を聞いて、より「オイル点検」しようと思いましたか?
おそらく、ほとんどの方が「Bさん」でしょう。
これが、いわゆる「コピーライティング」の重要性を表しています。
言葉の使い方一つで、圧倒的に、読者の反応率は変わってくるのです。
文章の作成について、詳しくは、下記記事にて解説しているので、ぜひ参考にしてください。
・メルマガ(メールマガジン配信)の開封率を上げるテンプレート素材(無料・HTML版)の作成(作り方)と、文章の書き方とは
・コピーライティングとは?コピーライティングの10の基礎についてまとめてみた
以上です。
ダイレクトレスポンスマーケティングの仕組み「その3」:消費者の購買行動を促す「販売」
前段のステップで、購買意欲を高めた見込み客に対して、商品(サービス)を販売していくが、このステップになります。
ここで最も重要なのは、商品購入ページ(ランディングページ)の内容になります。
まあ、最終的な「クロージング」がおこなわれるページになりますから、当たり前といえば、当たり前ですが。
要は、見込み客に、商品を購入してもらう事に最適化したコンテンツ(文章)にする必要があるんですね。
そこで、多くのセールスレターや広告文で利用されている法則があります。
それが、「pasona(パソナ)の法則」といって、消費者の購買心理プロセスに最適化された、(広告文の)文章構成のことで、多くのマーケッターやビジネスマンが利用している法則になります。
この法則は、最初に説明したとおり、ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)の第一人者でもある「神田昌典氏」が体系化した法則になります。
「pasona(パソナ)の法則」に則った文章の作成手順やポイントについては、下記記事にてまとめているので、ぜひ参考にしてください。
・PASONA(パソナ)の法則とは?神田昌典氏が提唱しているこの法則を用いて、成約率を高めるポイントについて
また、もう1つ注意しなければならないのが、商品を販売して「はい、バイバイ」ではいけません。
販売後も、当然メルマガにて、アフターフォローやコミュニケーションを取り続けていくことが重要です。
こんな通説を知っていますか?
「新規顧客を獲得するためのコストというのは、既存顧客に再度、商品を販売するコストに比べて、およそ「5倍」も掛かる」
これは、いかに「リピーター獲得」が、企業の費用対効果(利益)を上げる上で、重要かを示しています。
したがって、顧客離れを防止し、顧客維持に最善を尽くす必要があるんですね。
そのために、継続的な顧客とのコミュニケーションやフォローが必要なわけです。
リピート購入を増やすポイントについては、下記記事にて解説しています。
・リピーターの意味とは?顧客(お客様)満足度を上げ、リピート購入を増やすポイントや、リピート率の計算方法について
以上、ダイレクト・レスポンス・マーケティングの3つのステップ「集客 → 教育 → 販売」でした。