リードナーチャリングとは・・・直訳すると、「リード(Lead)」が ”見込み客” で、「ナーチャリング(nurturing)」が、”育てる・教育する” といった意味になります。
まとめると、”見込み客を教育する” ことを、「リードナーチャリング」と訳せます。
※見込み客とは・・・まだ商品(サービス)の購入には至ってないが、今後、購入に至る可能性のあるお客様のことです。
ほぼ直訳どおりなのですが、要は、見込み客に対して、段階的にコミュニケーション(教育)をとっていく事で、購買意欲を高めていき、顧客(購入者)へと育てていくことが、「リードナーチャリング」となります。
特に、「BtoB」の分野で注目を浴びています。
BtoB商材は、単価が高く、決済までの期間が長いため(社内で様々なステップを経る必要があるため)、中長期的な関係作りが重要となります。
このため、BtoBや高額商材のBtoC(コンサルティングや、マンション購入など)といった「高額かつ慎重に検討されるべき商品(サービス)」に関して、「リードナーチャリング」が重要視されているのです。
具体的には、展示会やセミナー(オフライン)、Webサイトやネット広告(オンライン)にて収集した見込み客のリスト(名前やメールアドレス)に対して、「メルマガ」などで教育していくのが、「リードナーチャリング」になります。
一方、
リードジェネレーションとは・・・「リード:見込み客」の「ジェネレーション:生成・創出」で、直訳すると、
”見込み客の生成” という意味になります。
なので、「リードジェネレーション」は「リードナーチャリング」の前の段階になります。
具体的に言うと、展示会やセミナー(オフライン)、Webサイトやネット広告(オンライン)にて「見込み客のリスト」を獲得する段階が、「リードジェネレーション」になるんですね。
特に、最近では、ユーザーが何らかの商品購入を検討する際、インターネット検索が主流の方法となっている事や、インタラクティブ性があり、その場で個人情報をリスト化できるといったことから、Webサイトで「リードジェネレーション」を実施する企業が増えていて、
ターゲットの役に立つ情報(PDF資料)を提供する対価として、個人情報を取得するのが一般化しています。
対象としては、「リードナーチャリング」同様、BtoBやBtoCの高額商材が、主となります。
今回の記事では、この「リードナーチャリング」と「リードジェネレーション(獲得)」で成果を出すポイントについて、順に解説していきます。
以下、目次になります。
- リードナーチャリングの戦略!BtoB、又はBtoC(高額商品)のWebマーケティングに必須
- リードジェネレーション(獲得)の3つのポイント!BtoB企業(会社)のWebマーケティングに必須
- リードナーチャリング・リードジェネレーションの事例やノウハウに関するセミナー(勉強会)に参加してきた
リードナーチャリングの戦略!BtoB、又はBtoC(高額商品)のWebマーケティングに必須
上述している通り、「リードナーチャリング」とは・・・見込み客に対して、段階的にコミュニケーション(教育)をとっていく事で、購買意欲を高めていき、顧客(購入者)へと育てていくことです。
ここで重要となるのが、
「しかるべきお客様に、しかるべきタイミングで、しかるべきコンテンツを提供すること」です。
このために、見込み客を、その状態によって、4つのセグメントに分類することが必要です(以下)
- 【いますぐ客】 : 商品(サービス)に対して、購買意欲が高く、今すぐにでもほしいお客様
- 【そのうち客】 : 商品(サービス)に対して「必要性」は感じるが、購買意欲がそれほど高くなく、そのうちほしいと思っているお客様
-
【潜在客】 : 商品(サービス)の「必要性」がまだ顕在化していないが、その商品に関連する事で悩んでいるお客様
例えば、商品が「SEOのコンサル」だったとして、Webサイトでの集客には興味があるが、「SEO」という手法の事はまだ知らないお客様。
※「SEO」については→SEO対策とは
- 【まだまだ客】 : 商品(サービス)に対して、「必要性」も感じていないし、その商品に関連する事でも悩んでいないお客様
以上です。上記は、上から購買意欲の高い順に並んでいます。
例えば、「いますぐ客」であれば、「商品の売り込み」を掛けても、なんの問題もありません。売れる確率は高いでしょう。
ですが、「まだまだ客」や「潜在客」に対して、いきなり「商品の売り込み」を掛けても、まず売れないでしょう。
それどころか、クレームを受け、リストから離脱していってしまう恐れもあります。
しかも、「しかるべきコンテンツ」を提供していき、購買意欲を高めていくことで、本来、お金を払ってくれるお客になるはずだった人かもしれません。
なので、「リードナーチャリング」で最も重要なのは、見込み客の状態によって、最適なアプローチをかけていく事なんですね。
そうやって、各状態の見込み客を、「いますぐ客」にまで、もっていく事が「リードナーチャリング」の目的なのです。
では、それぞれの状態に適したアプローチのポイントについて、順に解説していきます。
リードナーチャリング:「いますぐ客」へのアプローチ
経営やマーケティングの業界では、「2:8の法則」といった有名な法則があります。
例えば、「会社の売り上げの8割は、2割のお客様(優良客)から上がっている」といった法則ですが、これは、ここでも当てはまります。
要は、「いますぐ客のうち「8割」は、クロージングに至る」と。
※「クロージング」とは・・・クロージングの意味とは?Closingで成果を上げる6つのポイントについて
購買意欲が高まって、今すぐにでもほしいお客様なので、商品の提案に入れば、8割方クロージングにまで持っていけるでしょう。
※残り、2割の原因は、競合商品に負けたか、あるいは「不確定要素への懸念」です。
不確定要素を無くすためには、以下の二つが効果的です。
- 商品デモや、無料サンプルの提供
- 既に商品を使っているお客様の事例をもちいて、費用対効果を明確化する
以上です。
リードナーチャリング:「そのうち客」へのアプローチ
そのうち客というのは、「必要性」は感じているが、購買意欲がそれほど高くなく、そのうちほしいと思っているお客様です。
商品の資料請求や、無料サンプルの提供は済んでいるが、購入には至っていない人などが「そのうち客」に入ります。
購買意欲が高くない原因としては、主に以下の3点です。
- 競合商品と迷っている
- 費用対効果に不安がある
- 「いますぐにでも、ほしい」といった理由がない
では、順に改善策を説明していきます。
-
【競合商品と迷っている】
こちらは、いかに競合商品に関して優れているかを、訴求していきます。
したがって、競合商品に対しての、自社商品の強みを徹底的に洗い出していきましょう。
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【費用対効果に不安がある】
「価格に抵抗がある」なども、これに当たります。
ですが、価格に関しては、費用対効果が明確で、その「効果」が見込み客にとって、価値があるモノであれば、問題ではありません。
人は、自分の悩みを解決し、メリットを享受できると明確に理解できれば、どれだけお金を掛けてでも、商品を手に入れようとするのです。
なので重要なのは、根拠とともに、具体的かつ明確に「効果」に関する情報を提示することです。
根拠としては、既に商品を購入している他社事例や、今までの利用人数など、実績を示すと良いでしょう。
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【 ”いますぐにでも、ほしい” といった理由がない】
「いますぐにでも、ほしい」と思ってもらうためには、以下二つの点を、具体的に訴求することです。
1 : 商品を購入することによる「見込み客」のベネフィット。2 : 商品を購入しないことによるリスクや、その重大性。
※「ベネフィット」に関しては、こちらでまとめています→ベネフィットの意味とは?マーケティングにおいて、顧客のbenefitを考える重要性について
これらの二つが、見込み客にとって明確になった時、”いますぐにほしい” 理由となります。
以上です。
上記の解決策に示してある内容を、メルマガにて、「3~7通」に渡って配信して、「いますぐ客」に育てていきましょう。
リードナーチャリング:「潜在客」へのアプローチ
「潜在客」というのは、商品(サービス)の「必要性」がまだ顕在化していないが、その商品に関連する事で悩んでいるお客様です。
例えば、商品が「SEOのコンサル」だったとして、Webサイトでの集客には興味があるが、「SEO」という手法の事はまだ知らないお客様のことです。
なので、ここでは、「SEO」というのが、Webサイトでの集客に、どのように効果があるのか。
また、「SEO」の概念や仕組み。他のWebサイトでの集客方法(リスティング広告や、ソーシャルメディアの活用)と比べた、メリット・デメリットなど。
お客様の悩みに、商品(サービス)がどのように関係し、どのように解決していくのか。といった事を解説していきましょう。
※メルマガにて、「3~7通」に渡って、これらの内容を配信して、「そのうち客」に育てていってください。
リードナーチャリング:「まだまだ客」へのアプローチ
「まだまだ客」というのは、商品(サービス)に対して、「必要性」も感じていないし、その商品に関連する事でも悩んでいないお客様です。
例えて言うなら、「喫煙者でもないのに、禁煙グッズを売ろうとしている」といった感じでしょうか。
結論から言うと、「まだまだ客」にはアプローチするだけ無駄なので、しないでください。
そもそもこのような客の「リスト」を持っているという事じたい、疑問なのですが、例えば自社で関連性のない商品を多岐に渡って販売していて、かつ顧客管理を全くおこなっておらず、常に同じ内容を一斉配信しているケースなんかが、当てはまるでしょう。
以上、それぞれの「見込み客のセグメント」へのアプローチ手法でした。
自社で抱えている見込み客が、どのセグメントに属するのかを、ちゃんと管理し、それぞれに適したアプローチを取っていきましょう。
また、各セグメントへのアプローチは、メルマガのステップメール機能を使うことで、自動化することができ、効率的に「いますぐ客」に育てていくことができます。
リードジェネレーション(獲得)の3つのポイント!BtoB企業(会社)のWebマーケティングに必須
当章では、リードジェネレーション(獲得)を効率的におこなう3つのポイントについて、順に解説していきます。
上述している通り、インターネットが主流となった昨今では、Webサイトで「リードジェネレーション」を実施するのが、一般的となっています。
Webサイトで、リストを獲得するための、最適な導線は下記のようになります。
- 検索エンジンや、ソーシャルメディアから、自社のWebサイト(ブログ)へ集客する
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Webサイトの各ページに、CTA(コール・トゥ・アクション)を設置し、集客してきた訪問者に対して、ランディングページへの遷移を促す
※ランディングページとは・・・リスト獲得の為に、最適化されたページの事です(詳しくは→ランディングページとは?landing pageの作り方(制作手順)と、LPO対策で重要な8つのポイントをまとめてみた)
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ランディングページに訪れたユーザーに対して、無料オファー(プレゼント)を提供し、その対価として、メールアドレスを登録してもらう
※「無料オファー」とは、ターゲットとする消費者にとって、役に立つモノです。
例えば、ダイエットに興味のある消費者がターゲットなら、ダイエットに関する役に立つ情報を提供しましょう。
一般的には、情報をまとめた「.PDF」が主流となっています。
以上、3つのステップを経て、リストを獲得するのが、最も効率的な方法になります。
ここで、1点注意しなければならないのが、「Webページ」、「CTA」、「ランディングページ」、「オファー」それぞれを関連させておく必要があります。
それぞれの関連性が高ければ高いほど、「コンバージョン(リストの獲得)率」も高くなっていきます。
※各ステップのポイントについては、下記記事にて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
リードナーチャリング・リードジェネレーションの事例やノウハウに関するセミナー(勉強会)に参加してきた
先日、「リードナーチャリング・ジェネレーション」の事例やノウハウに関するセミナーに参加してきました。
このセミナーは、一般企業のマーケティング担当や販売推進担当からWeb制作会社、外資系ベンダーまで、「リードナーチャリング・ジェネレーション」に取り組んでる(又は、コンサルしている)、様々な企業が参加していたセミナーだったのですが、
そこで紹介された、実際の成功事例について、とても有用だったため、紹介していきたいと思います。
- 会社名 : 【株式会社シャノン】 同社のマーケティング・スペシャリスト「嶋田 賢策氏」プレゼン
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プレゼン内容 : 【これからは、行動履歴ベースでのリスト管理を行い、そこに対するアクションを迅速に実行していくことが重要】
見込み客を、いくつかのセグメントで分類して、それぞれのセグメントに対して最適なアプローチをとる事が重要と語る「嶋田氏」
具体的には、資料請求やダウンロード、メルマガに対してのアクション(リンクのクリックなど)や、セミナー申込など、見込み客が起こしたアクション(中間コンバージョン)に対して、最適な対応を定義し、対応漏れが起こらないようプロセスを構築していく。
【中間コンバージョン-例】
資料請求などをしてきた見込顧客に対して、一定間隔で、メルマガによる継続フォローをするといった基本的なものだ。
また、いわゆる「いますぐ客」の抽出と、そのタイミングを逃さずフォローしていく事も重要で、「いますぐ客」の抽出条件を明確に定義している。
例えば、見込み客の商談ステータスが一定の進捗以上、自社サイトの商品(サービス)ページの閲覧時間やクリック回数が一定の条件以上など。
これらの条件を満たす見込み客を「いますぐ客」と見なし、迅速にクロージングに持っていくようアプローチしている。
以上です。
今回のセミナーからも、「リードナーチャリング」で重要なのは、最終的なクロージング(商品購入)までの、中間コンバージョンをいくつか定めて、それによって、見込み客をセグメント分けし、最適な対応プロセスを定義していくことが、重要なのだと、改めて感じました。