ターゲティングとは・・・商品(サービス)を市場(不特定多数の人々)に投入するさいに、どの顧客層を標的にするのかを決めることです。
ターゲティングが的確におこなわれていなければ、”誰のためのものなのか” といった事を明確に訴求することができず、結果的に、誰も買わないといった事になってしまいます。
なので、マーケティングや広告戦略を考えるさいに、非常に重要となる要素が「ターゲティング」なのです。
今回の記事では、マーケティング(広告)戦略を考える上で、費用対効果を最大化させる「ターゲティング手法」の紹介と、「セグメンテーション」や「ポジショニング」についても、順に解説していきます。
以下、目次になります。
- (サイト)リターゲティングの仕組みについて
- 行動(オーディエンス)ターゲティング(BTA)の仕組みについて
- ジオ(エリア)・ターゲティングの仕組みについて
- ターゲティング・セグメンテーション・ポジショニング。それぞれの意味と違いについて
マーケティング(広告)戦略で知っておくべき「(サイト)リターゲティング」の仕組みについて
リターゲティングとは・・・Web広告の配信形態の一つで、1度サイトを訪れたことのある人に対して、再訪を促すような広告を配信することを指し、「サイト・リターゲティング」とも言います。
訪問者の「Cookie(クッキー)」によって、広告主のWebサイトに訪問履歴があるかどうかを確認し、履歴があった場合のみ、他サイトの広告枠に「広告」を表示する。といった仕組みになります。
図の参考元:「Yahoo広告:サイトリターゲティングの基本的な仕組みと設定の流れ」
リターゲティング広告のメリットとしては、自社のサイトに一度でも来たことのある人は、関心の高い見込み客である可能性が高いため、商品の購入などの「成約(クロージング)率」が高い傾向にあります。
そのため、広告費に対する成約数の「費用対効果」が良いといったメリットがあります。
マーケティング(広告)戦略で知っておくべき「行動(オーディエンス)ターゲティング(BTA)」の仕組みについて
行動ターゲティング(BTA)とは・・・こちらもWeb広告の配信形態で、広告の表示対象である「消費者」の、Web上での行動履歴を元に導き出した興味・関心に対して、最適化された広告を表示することを指します。
広告の閲覧者の興味・関心に対して、最適化された広告を表示することから、「オーディエンス・ターゲティング」とも呼ばれています(オーディエンス=閲覧者)
Web上での行動履歴というのは、様々な要素があり、「ページの閲覧や広告のクリック・検索情報(キーワード)」などが該当します。
これらの履歴情報をもとに、消費者の「興味・関心事」を導き出してるんですね。
また、過去の行動履歴情報は、「リターゲティング」と一緒で、訪問者の「Cookie(クッキー)」から情報を取得します。
例えば、最近「ダイエット」というキーワードで検索していて、ダイエット関連のページに訪れた。といった行動履歴を持った「Aさん」という方がいたとします。
この「Aさん」が、後日、(ダイエットとは全く関係のない)Webページを見た時に、そのページの広告枠に、「ダイエットに関する広告」が表示されていた。
これが「行動ターゲティング広告(BTA)」になります。
「Aさんは、以前「ダイエット」関連のページを見ているから、ダイエットに興味・関心がある。」と、広告配信側のシステムに判定され、「ダイエット」に関する広告が表示されたんですね。
このように、過去の行動履歴から興味・関心情報を分析し、対象を絞ることで、無駄な広告の露出を控えることができ、結果として費用対効果が高くなるメリットがあります。
よく、楽天やAMAZONで買い物する人はわかると思いますが、これらのECサイトでも、このシステムは導入されています。
何かしらの商品を「買い物カゴ」に入れた時に、その下部に「関連商品」が表示されますよね。
これも「行動ターゲティング」の一種です。
マーケティング(広告)戦略で知っておくべき「ジオ(エリア)・ターゲティング」の仕組みについて
ジオ・ターゲティングとは・・・「ジオ」とは、Geography(ジオグラフィー)の略で、「地理」という意味になります。
なので、ユーザーの地域によって、広告の表示内容を最適化したり、広告の表示有無を決めたりすることを、「ジオターゲティング」と呼びます。
また、「エリアターゲティング」とも呼ばれています。
Web上では、地域の特定に、訪問者の「IPアドレス」を用いています。
「IPアドレス」をもとに、都道府県を特定しているんですね。
ただ、「IPアドレス」では、都道府県の特定が精一杯で、それ以上の精密な特定ができません。
ですが、「GPS」を搭載しているスマートフォンでは、詳細な「位置情報」が取得できるため、精密な「ジオターゲティング」がおこなえます。
なので、スマホユーザーに対して、特に効果を発揮するマーケティング(広告)戦略といえるでしょう。
ターゲティング・セグメンテーション・ポジショニング。それぞれの意味と違いについて
マーケティング戦略を考える上で、「ターゲティング・セグメンテーション・ポジショニング」は、非常に重要な要素となります。
ですが、それぞれの意味や違いについて、ハッキリ認識している方は、少ないように思います。
そこで、当章では、それぞれの意味と違いについて、順に解説していきます。
セグメンテーションとは?ターゲティングと、セグメンテーションの違いについて
セグメンテーションとは・・・直訳すると「区分」・「分割」といった意味になります。
マーケティングの世界では、非常に重要な概念で、
「マーケット(不特定多数の人々)を、同じニーズや性質を持つ「固まり(セグメント)」に分けること」と定義できます。
現代の市場は、需要をはるかに超える供給製品が溢れ、一方で顧客のニーズは多岐に渡っています。
なので、万人向けの製品を作ろうとすると、製品コンセプトが曖昧になり、結果的に誰も買わない製品となってしまうのです。
そこで、製品のブランディング戦略やマーケティング戦略において、効率よく的確に、顧客に対してアプローチするために、この「セグメンテーション」が重要なのです。
例えば、マックとスタバを比較してみましょう。
マックの顧客セグメントは、「”安さ” を求めている」・「”はやさ” を求めている」・「学生の層」などが挙げれます。
一方、スタバは「”居心地の良さ” を求めている」・「商品や接客の質(高価格帯)を求めている」・「サラリーマンの層」などでしょう。
このように、顧客をいくつかの「層」に分けて、集中的に経営資源を投下していくことで、効果的に費用対効果を上げることができるのです。
また、顧客のいくつかの「セグメント(かたまり)」にわけることを、セグメンテーションと言うのに対し、それらのセグメントから、どのセグメントに対してアプローチしていくのかを選定することが「ターゲティング」になります。
例えば、セグメントを「関心事:ダイエット」・「女性」・「20代」・「OL」・「購入金額:1万円以上」と5つを設定し、
実際に、ダイレクトメール(DM)を送付するのは、「関心事:ダイエット」・「女性」・「20代」・「OL」と、4つのセグメントに対して送信された。
この時、ダイレクトメール(DM)の送付対象とした4つのセグメントが、「ターゲティング対象」となります。
要は、「セグメンテーション」とは顧客層の細分化であり、「ターゲティング」とは、利益を最大化するために、細分化したどの部分にフォーカスを当てるべきかということになります。
以上です。
※セグメンテーションの具体的な分類・分割手法については、下記記事にてまとめています。
・セグメントの意味とは?マーケティングの利益最大化には、市場(顧客)セグメンテーションとターゲティングが必要
ポジショニングとは?
ポジショニングとは・・・自社製品と競合他社製品との、市場での位置づけのことで、競合他社に対して相対的に独自のポジションを築き、差別化をはかることが目的となります。
ターゲットとする顧客からのイメージも非常に重要で、顧客から独自性のある価値を認めてもらうことができたら、ポジショニングがうまく機能し、競合他社からの差別化ができていると言えるでしょう。
※ポジショニングをおこなう具体的な手順やポイントについては、下記記事にて解説しています。
・ポジショニングの意味とは?マーケティングやブランド戦略における、ポジショニング分析やマップの作り方(軸)・例について
以上、「ターゲティング・セグメンテーション・ポジショニング」についての説明でした。
まとめ:サイト運営における「ターゲティング」について
今回の記事では、マーケティングや広告戦略に特化した「ターゲティング」の手法について、解説してきました。
昨今では、マーケティング戦略として、従来からあるプッシュ型の「広告」から、プル型の「メディア運営」に、注目・関心度が、徐々に移ってきています。
※メディアとは・・・Webサイトやブログの事を指します。
日本でも、最近では「コンテンツマーケティング」や「インバウンドマーケティング」という言葉を、よく耳にします。
そこで、最後に「メディア運営に特化したターゲティング」について、解説していこうと思います。
まず、重要なのが「メディア全体」のターゲットを定義することです。
「ダイエットに興味のある方」
「旅行に興味のある方」
など、1つテーマを決め、ターゲットを絞ります。
なので、必然的に、「メディア運営」というのは、1つに絞ったターゲット層の ”役に立つコンテンツ” を作り続けていく。ということになります。
例えば、当ブログであれば「ブログ(サイト)を運営している人」をターゲットとしていて、コンテンツを作る際は、常に「ブログ運営者の役に立つコンテンツ」を意識して作っています。
要は、1つのメディアを通して、「一貫性」が重要なのです。
また、ターゲットを選定するときに重要なのが、「需要があるのか?」です。
いくらメディアを作っても、需要がない領域であれば、意味がありません。
そこで、「需要」があるのかを調べる効果的な方法が、「検索数」を調べることです。
GoogleやYahooといった検索エンジン。誰もが使ったことありますよね。
私も1日に、10回以上は必ず使っているサイトになります。
ここで、多くの検索がされていれば、それだけ「需要」があるといえます。
例えば、「ダイエット」というキーワードであれば、なんと月に「55万回」も検索されているのが、分かります(下図)
※参考としては、月に「1万回」以上の検索回数が理想です。
最低でも、「5000回」以上検索されているキーワード(テーマ)にしましょう。
このように、メディアのテーマとするキーワードの検索回数によって、需要があるか無いかを確認しましょう。
検索回数の確認手順については、下記記事にてまとめています。
これで、メディア全体のテーマとターゲット選定は、終わりです。
あとは、ターゲットとした層の役に立つコンテンツを日々作成・提供しつづていき、アクセスの集まるメディアにしていくことができれば、「コンテンツ(インバウンド)マーケティング」の大きな礎(いしずえ)となるでしょう。
※アクセスの集まるメディアにするための、参考になる記事(下記)
・パワーブログ化の必須条件!アクセスアップするための13の戦略
以上です。