ビジネス文書とは・・・ビジネス上で、情報の伝達や意思の確認などを目的として作成・提出される文書のことです。
例えば、何かしらの報告書や企画書であったり、社外に対しての契約書や依頼書などが、これに当てはまります。
今回の記事では、なぜビジネス文書が必要なのか・・・その理由と、ビジネス文書の書き方で注意すべき8つのポイントについて、順に解説していきます。
以下、目次になります。
- ビジネス文書が必要な理由
- ビジネス文書の書き方で注意すべき8つのポイント
ビジネス文書が必要な理由
当章では、そもそも「ビジネス文書」がなぜ必要なのか・・・その理由を解説していきます。
上述している通り、ビジネス文書の目的は、ビジネス上の情報伝達が主な目的になります。
では、口頭で情報伝達してはダメなのか・・・
単なる世間話であれば、文書に残す必要はないでしょう、口頭で十分です。
ですが、ビジネス上で扱う情報というのは、重要なものばかりです。
なので、情報を伝えたい相手に正確に伝える必要があります。
この時、口頭だと、言い違いや聞き間違いなどのミスが起きたり、複数人に伝えたい場合「伝言ゲーム」のように途中から、元々の発信者の意図と異なった情報に変化する恐れもあります。
また、情報をやりとりした者の記憶が不正確になり、「言った言わない」などの行き違いになったりもするでしょう。
口頭だと証拠は残らないですからね。
このような問題を解決するために、伝えたい内容を「文書」に起こすのです。
ビジネス文書で情報伝達をするメリットを下記にまとめました。
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ビジネス文書には、会社によって決められている形式やフォーマットがあり、過不足なく正確な情報伝達がおこなえる
「(クレーム)報告書のフォーマット例」
- 複数の相手に情報を伝達することができ、効率的に情報の共有がおこなえる
- 記録として残せるので、後で「言った言わない」の行き違いがなくなり、責任の所在が明確になる
以上です。
ビジネス文書の書き方で注意すべき8つのポイント
あなたが社会人であれば、
・上司から「君が書いた報告書の内容が分かりにくい」と言われた。
・お客様から、自分の書いた謝罪文書に対するクレームが来た。
上記のような経験がある方も多いでしょう。
ビジネス文書というのは、「正確かつ簡潔」に情報がまとまっている必要があるので、これらを満たせていない場合は、上記のような事になってしまいます。
ですが、これは難しいことではありません。
いくつかのポイントを意識するだけで、簡単に「ビジネス文書」に最適な文章を書くことができます。
そこで当章では、ビジネス文書を書く際に意識すべきポイントを8つにまとめました。
以降、それらのポイントを順に解説していきます。
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【読み手の立場に立って、文章を書く】
当ポイントは、最も基本で重要なポイントになります。
何度も述べてる通り、ビジネス文書の目的は、相手に正確な情報を伝達することです。なので、相手が正確に情報を理解するために、まずは相手の立場に立って文書を作成していく事が必要です。
例えば、IT系の開発社員のケースで、同じ開発部書の人に宛てる文書なのか、営業の人へ宛てる文書なのか、、、この違いだけでも、文書の内容には明確な差があるべきです。
同じ「開発」宛ての文書であれば、(開発内で共通認識となっている)専門用語を使っても特に問題はありませんが、「営業」宛てであれば話しは別です。専門用語を使うのは、なるべく避け平易な言葉を使った文書にすべきでしょう。
このように、情報を伝える相手が誰であるか?
読み手の立場に立って、分かりやすい文書を作成していくことが重要です。 -
【結論から述べる】
ビジネス文書は、原則として「結論」から書いていきます。
「結論から先に書きなさい」と上司から注意を受けた方も少なくないでしょう。
では、なぜ「結論」から先に述べる必要があるのでしょう。
ビジネスマンというのは、忙しければ忙しいほど「時間」がありません。
当然、ビジネス文書の一つ一つを精読していく余裕なんて無いんですね。例えば、管理職が1つの文章を読むのに費やす時間は、「約30秒」と言われています(参考元は、「Logical Skill Lab」の、メニュー「なるべく読ませないように書け!」)
このような事から、「ビジネス文書」に求められることとして、読んですぐに「何にたいして述べられているのか」が把握できるようになっている事が重要です。
そうすることで、必要な情報か・不要な情報かの判断だったり、優先順位の決定も、読んですぐにおこなう事ができるようになります。
なので、最後まで読まなければ、何が言いたいのか分からないような文章は、それだけで失格です。
そういう意味では、「起承転結」の文章構成なんて、「ビジネス文書」には全く向いていないと言えるでしょう。 -
【パラグラフ構成にする】
「パラグラフ構成」というのは、文章構成のことで、
パラグラフというのは、「ある1つのトピックについて述べている複数の文の集まり」のことを指します。なので、文書内で「複数のトピック」を扱いたい場合は、その分「パラグラフ」を増やしていくことになります。
そして、パラグラフの主な特徴として、上述している「結論(文章の要約)を先に持ってくる」といった特徴があります。
なので読者は、その文書の概要を最初に把握することができ、自分にとって重要な情報か・そうでないか・・・を容易に判断することができます。
また文書内は、パラグラフ(1つのトピック)ごとにまとまっているので、文書を読み進めていく際も、
「このトピックは自分に必要、だが、こっちのトピックは不要」といった具合に、パラグラフごとに精読するか読み飛ばすかの判断も容易にすることができます。このように、ビジネス文書に最適な文章構成が「パラグラフ構成」なのです。
パラグラフ構成について、詳しくはこちらでも解説しています→パラグラフ(paragraph)とは?文章の段落構成を最適化することで読みやすい文章にしてみた
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【あいまいな表現ではなく、なるべく定量的な表現にする】
定量的とは・・・数値で表す(扱う)ことを指します。
ビジネス文書では、明確かつ具体的な情報の提示をしなければなりません。
なので、金額や数量・時間などは、必ず「具体的な数値」で表すことが重要です。
また、数値で表すことのできないものでも、固有名詞などは必ず「具体的な内容」で示すようにしましょう。
少なくとも、「これ」や「それ」といった表現は使わないようにしてください。 -
【ビジネス文書で伝える要件は、1つに絞る】
1つの文書に、複数の要件が入っていると、スラスラと読み進めることができなくなり、一つ一つの要件の印象が薄くなってしまいます。
結果的に、読み手から
「結局、何を伝えたいんだ、、、」と思われてしまう恐れがあるのです。
なので、原則1文書には1つの要件にしぼり、複数ある場合は文書を分けましょう。
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【箇条書きに出来る部分はする】
下記に、箇条書きの一例を示します。
ビジネス文書を書くさいのポイントは・・・・結論から述べる
・あいまいな表現を無くす
・読み手に合わせた表現(言葉使い)にする上記のように、文章を箇条書きでまとめる事で、読み手に「要点」がしっかりと伝わり、内容を把握しやすくなるメリットがあります。
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【言葉の表記を統一する】
世の中には、言葉は違っても、同じ意味なものがたくさんあります。
例えば、
・「従業員」と「社員」
・「商品」と「商材」
・「高まる」と「上がる」このように、意味は同じだが言葉が違うものに関しては、1つの言葉に統一するようにしましょう。
違う言葉でも意味が同じなので、読み取れないことは無いのですが、1つに統一したほうが、読み手に対して親切です。
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【社内でフォーマットが決まっている場合は、それを利用(参考に)する】
稟議書や申請書など、社内でフォーマットが決まっている場合は、それを利用しましょう。
社内でフォーマットが決まっているということは、ちゃんと文章構成が論理的になっていて、読み手にとって分かりやすいものになっているはずです。
また、その社内の人は日頃から、それと同じ順序で書かれている文書を何度も見ているはずですから、読み手にとっても、(決まっている)フォーマットを使ったほうが読みやすいでしょう。
また、社内でフォーマットがない文書を作成するさいも、既にある「文書のフォーマット」を参考にして、作成していくと良いでしょう。
※社内に参考にするフォーマットがない場合は、「ビジネス文書 例文」とググれば、やまほど見つかります。
以上、「ビジネス文書の書き方」で注意すべき8つのポイントでした。
これらのポイントを意識することで、ビジネス文書に最適な「文章」を書くことができるでしょう。