オウンドメディアとは・・・企業が自ら、所有しているメディアの事です。
また、オウンドメディアを利用して、「消費者にとって有益となるコンテンツ」を継続的に発信していき、集客と購買促進をおこなう仕組みを、「オウンドメディアマーケティング」、または「インバウンドマーケティング」と呼ばれています。
※厳密には、「オウンドメディアマーケティング」は、”自社所有のメディアを用いたマーケティング” になるので、「インバウンドマーケティング」の1つの要素となります。
(インバウンドマーケティングは、TwitterやFacebookなど、ソーシャルメディアを活用した施策も含まれるため)
ですが、今回は、同じものとして解説していきます。
昨今では、多くの会社が、従来のメディア(TVや新聞・雑誌)に露出する広告手法から、自社のオンラインメディアを活用して、消費者と直接的な関係を築いていくことに、関心を持ち始めています。
ではなぜ、このように「オウンドメディア(インバウンド)・マーケティング」が注目されるようになったのか・・・
今回の記事では、その理由についてや、「オウンドメディア(インバウンド)・マーケティング」のメリットについて。また有名会社の成功事例についても、紹介していきます。
以下、目次になります。
- 従来のマーケティングと、「オウンドメディア(インバウンド)マーケティング」について
- 企業を取り巻く3つのメディア「ペイドメディア・アーンドメディア・オウンドメディア」について
- ソーシャルメディア・マーケティングやSEOと相性が良い「オウンドメディア戦略」
- 有名会社のオウンドメディア・マーケティング:「成功事例について」
従来のマーケティングと、「オウンドメディア(インバウンド)マーケティング」について
当章では、従来のマーケティングに対して、「オウンドメディア(インバウンド)マーケティング」の利点を、以下3つにまとめました。
- 費用対効果が良い、かつ明確である
- 消費者と、長期的な信頼関係を構築しやすい
- コンテンツの一つ一つが資産化され、それがブランドイメージを形成する
では、順に解説していきます。
1、費用対効果が良い、かつ明確である
従来のマーケティング施策(TVCMや雑誌広告など)と、オウンドメディア(インバウンド)マーケティングの費用対効果について、ある検証がおこなわれました。
それによると、1件のリード(見込み客のメールアドレス)を獲得するのに掛かった費用について、
なんと、従来の施策に対して、オウンドメディアを活用したところ、「61%」も低くなったそうです。
参考元:Youtube:24-7.inc「インバウンドマーケティングとは?」
これは、従来の施策では、”不特定多数の人にアプローチする手法” であるのに対し、「オウンドメディアマーケティング」では、”その商品(サービス)に対しての、何らかの関係。又は、興味・関心を持っている人に絞ったアプローチ” になるからです。
また、従来の施策と、もう一点大きな違いがあります。
それが、「費用対効果を明確化できる点」です。
こういった、費用対効果に関わる指標が明確に特定できるのも、オウンドメディア(インバウンド)マーケティングのメリットであり、インターネットの特性でもあります。
2、消費者と、長期的な信頼関係を構築しやすい
従来のマーケティング施策(TVCMや雑誌広告など)は、広く消費者にアプローチし、一時的な集客には効果を出しますが、どうしても「一過性」のモノになってしまいます。
「商品」が、他社と比べて、消費者にとって有益なモノであれば、リピーターを獲得できますが、あくまで、マーケティング施策は、一過性のモノで、リピーターを生む要素はありません。
ですが、オウンドメディアマーケティングは、施策そのものが、消費者との信頼関係を築き上げていくもので、長期的なファン(リピーター)を生みやすいといった特徴があります。
※あくまで、オウンドメディアのコンテンツ1つ1つが、消費者にとって有益なモノである事が、前提です。
以下に、例を挙げましょう。
ただ、薄毛対策として何をやれば良いかは、チンプンカンプンです。
そこで、Googleを利用して「薄毛対策」と検索しました。
その中で、検索上位に表示されている「髪の悩み.com」というサイトがあったので、そこを見たところ、非常に分かりやすく、丁寧に情報がまとめられていて、実体験なども記載されていたので、非常に役に立ちました。
そのサイトでは、シャンプーを「薄毛対策用のモノ」に替える事が、最も効果的と述べられていたので、
次に、再度Googleで、「薄毛 シャンプー」と検索したところ、またもや上位に「髪の悩み.com」が表示されていました。
おじさんは、再度そのサイトに訪れ、ページを見ていったところ、今回も非常に有益と感じました。
そして、”このサイトは非常に役に立つ情報が多い” と信頼感を覚え、しばらくそのサイトにあるページを回遊し、
結果的に、おじさんは、そのサイトで「シャンプー」を購入することにしました。
また、ページ自体の内容が非常に有益であったため、自身のFacebookでそのページの紹介もおこない、その後も、定期的に、そのサイトを訪れて、追加されているコンテンツを確認していったのでした。
これが、「オウンドメディア(インバウンド)マーケティング」なのです。
上記のように、「オウンドメディア」のコンテンツに対して有益と感じ、その経験が複数回に渡ることで、そのサイトへのロイヤリティが増していき、結果的に、そのサイトの「利益につながる行動」をとってくれたり、長期的なファン(リピーター)となってもらえるのです。
3、コンテンツの一つ一つが資産化され、それがブランドイメージを形成する
従来のマーケティング手法(広告)は、継続的に効果を出すには、お金を払い続けなければなりませんでした。
ですが、オウンドメディア(インバウンド)マーケティングのキモである「良質なコンテンツ」というのは、お金が掛かることはないし、一度制作すれば「資産」として蓄積されていきます(制作する際の手間は掛かりますが、、)
要は、広告などの「一過性な施策」とは違って、中長期的に、検索エンジンやソーシャルメディア上からの集客効果を発揮し続けます。
※特に、SEOでは、良質なコンテンツが蓄積されていく事で、より評価が高められ、効果を発揮します(「SEO」については、こちらで解説しています→SEO対策とは)
また、コンテンツ資産が積もり積もっていくことで、サイト全体が「ブランディング」され、そのブランドイメージが、消費者にとっては、他社との差別化につながり、ビジネスに大きく貢献し、有利に働いていくでしょう。
以上、「オウンドメディア(インバウンド)マーケティング」の3つの利点でした。
企業を取り巻く3つのメディア「ペイドメディア・アーンドメディア・オウンドメディア」について
企業のマーケティング戦略を考える際、利用するメディア(チャネル)は、オウンドメディア含め、大きく3つに分けられます。
当章では、その3つのメディアについて、順に解説していきます。
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【オウンドメディア】
オウンドメディアは、最初に述べたとおり、「企業が自ら、所有しているメディア」の事です。
企業のコーポレートサイト、ECサイト、メールマガジン、といったデジタルメディア以外にも、企業の広報誌やパンフレットといった印刷物なども、オウンドメディアに該当します。
また、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアや、アメブロやライブドアといったブログサービスは、オウンドメディアには当てはまりません。
これらのメディアを所有しているのは、あくまで運営会社です。
「Twitter」であれば、Twitter社で、「Facebook」であれば、Facebook社になります。
なので、オウンドメディアには該当しないんですね。
また、オウンドメディアは、自社で用意したサーバー(又はレンタルサーバー)で、かつ、独自ドメインである必要があります。
サーバーや、独自ドメインについては、下記にて解説しています。
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【アーンドメディア】
アーンドメディアとは・・・口コミで、商品やサービスを紹介していく「ブログ」や「SNS」のことです。
なので、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアや、アメブロやライブドアといったブログサービスが、該当します。
また、「2ch」や「掲示板」も、アーンドメディアに当てはまります。
よく、中小企業に多いのが、オウンドメディアを構築せずに、ソーシャルメディアやブロブサービスだけで、自社メディアを完結してしまってるケースがあります。
ですが、これは非常にリスクの伴うケースになります。
上述している通り、これらのメディアは、運営会社が別に存在します。
なので、運営会社の一存で利用に制限が掛けられたり、下手したら、アカウント自体を凍結させられる恐れもあります。このように、自社の顧客管理や集客メディアの基盤を「ソーシャルメディア」や「ブログサービス」だけに依存することは、非常にリスクの高いモノになるのです。
なので、「アーンドメディア」は、あくまで「オウンドメディア」への誘導チャネルとして機能させることが重要なのです。
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【ペイドメディア】
ペイドメディアとは・・・広告など、コンテンツを掲載するのにお金が必要となるメディアの事です。
テレビ広告、新聞・雑誌広告、リスティングなどのネット広告が、これに当てはまります。
こちらも、主に「オウンドメディア」への誘導チャネルとして機能させていきます。
以上、企業を取り巻く3つのメディアでした。
ソーシャルメディア・マーケティングやSEOと相性が良い「オウンドメディア戦略」
当章では、オウンドメディアが、ソーシャルメディア・マーケティングや「SEO」と相性が良い理由について、まとめていきます。
では、順に解説していきましょう。
オウンドメディアと、ソーシャルメディア・マーケティング
昨今では、ソーシャルメディア・マーケティングが一般化し、ほとんどの企業が、FacebookやTwitterの公式アカウントを持っています。
オウンドメディアは、この「ソーシャルメディア・マーケティング」と非常に相性が良いです。
なぜなら、オウンドメディア運営のキモは、”いかに、ユーザーにとって有益となるコンテンツを提供し続けるか・・・” です。
また、ソーシャルメディア上でも、コンテンツの質が高ければ高いほど、消費者の関心を引き、それが話題を呼び、評判になって、多くのユーザーに拡散されていきます。
なので、オウンドメディア運営のキモである ”ユーザーに有益となる情報の発信” は、必然的に、ソーシャルメディア・マーケティングにも繋がっていくのです。
オウンドメディアと、SEO
SEOとは・・・「検索エンジン最適化」という意味で、検索結果の上位に、自分のサイトを表示させるための手法のことです。
自社サイト(オウンドメディア)へ「集客」する上で、「SEO」は非常に効果的です。
なぜなら、検索エンジンからの流入は、ソーシャルメディアとは違い、自分で検索窓にキーワードを入力して訪れるため、目的意識の強いアクセスで、
さらに、検索結果の上位に表示されている限り、毎月安定したアクセスを期待できます。
また、オウンドメディア・マーケティングに追い風となっているのが、昨今の「Googleをはじめとした検索エンジン」のアルゴリズム変動です。
※アルゴリズムとは、サイトの順位付けをおこなうための「プロセス」のことです。
この「アルゴリズム」が、「コンテンツ自体」を重要とするアップデートを繰り返しているのです。
要は、「いかに検索ユーザーにとって有益となるコンテンツなのか・・・」
これが、「SEO」において非常に重要な要素に変わってきたのです。
この流れは、オウンドメディア・マーケティングにとって、非常に良い「追い風」ですし、この流れが、「オウンドメディア」が注目されだした1つの理由となっています。
※コンテンツの作成ポイントについては、下記にてまとめているので、ぜひ参考にしてください。
・コンテンツ(contents)とは?検索エンジンとユーザー双方に最適化したコンテンツ作成手順をまとめてみた
以上です。
有名会社のオウンドメディア・マーケティング:「成功事例について」
当章では、「日本ハム株式会社」のオウンドメディアについて、紹介していきます。
「日本ハム株式会社」は、ターゲットを「日々の暮らしの中で食と向き合う、ひとりの生活者」として、この層とのコミュニケーション基盤を確立すべく、自社のコーポレートサイトを「フル・リニューアル」しました。
そのサイトが、下記になります。
実際に、サイトを見てみると
日本ハムの商品に関連するものだけじゃなく、レシピ情報や、「食」に関するお役立ち情報、
また、日本ハムがおこなっている「品質強化の(取り組み)情報」であったり、社会や環境への取り組みに関するモノまで、幅広いコンテンツ群となっています。
コンテンツ内容から、たしかに、「日々の暮らしの中で食と向き合う、ひとりの生活者」をターゲットとしているオウンドメディアであることが、よく分かります。
また、リニューアルのポイントとして、下記も挙げられていたみたいです。
「品質、信頼性などに関するブランドイメージが向上すること」
こちらに関しても、納得させられるコンテンツ内容となっていました。
実際に、サイトをリニューアルしてから、
「食の安全・安心に取り組んでいる」など信頼性に関する企業イメージの向上も見られたそうです。
参考元:IMJ : Portfolio 「日本ハム株式会社様」
以上です。
こうした大手の企業で、大々的に、自社のコーポレートサイトをリニューアルし、ターゲットとする消費者との「コミュニケーション基盤」を構築していく計らいは、「オウンドメディア・マーケティング」が、いかに注目されているかを表しているでしょう。