推敲とは

推敲とは?「推敲」と「校正」の意味(使い方)を間違えてたので、整理してみた

「推敲(すいこう)」とは・・・自分の書いた文章をじっくり読み直して、おかしな所や悪い所がないかをチェックし、悪い所があれば修正していくことを意味します。

「推敲」の語源としては、下記の故事からできたとされています。

唐の詩人である「賈島(かとう)」が、「僧は推す月下の門」という自作の詩句について、”推す” を ”敲(たた)く” とすべきかどうか迷ったすえ、優れた名文家である「韓愈(かんゆ)」に問うて、「敲」の字に改めた

という故事からできた言葉である。

また、この「推敲」と同じような意味(使い方)で、「校正」という言葉もあります。

おそらく、当記事を読んでる方も、曖昧ながらも「一緒じゃないの?」と思ってる方が多いと思います。

実際に私も、「校正」という言葉を、

「文章に誤り(誤字や不適切な表現)がないかをチェックし、誤りがあった場合は修正する」

といった意味で使っていて、要は「推敲」とまったく同じ意味だと認識していました。

ですが、「文章を校正する際のポイント」についてまとめた記事(下記)を執筆したさいに、改めて意味を調べてみたら、「推敲」と「校正」にはちゃんと明確な違いがあったのです。

校正の意味と、文章校正をするさいの7つのポイントについてまとめてみた

そこで、今回の記事では「推敲」と「校正」の意味の違いについてまとめてみました。
また、文章を「推敲」するさいの7つのポイントについても、順に解説していきます。

以下、目次になります。

  • 「推敲」と「校正」の意味の違いについて
  • 文章を「推敲」するさいの7つのポイントとは

「推敲」と「校正」の意味の違いについて

推敲と校正

以下に、「推敲」と「校正」の意味についてまとめました。

  • 「推敲」

    「推敲」とは、上述している通り、文章をじっくり読み直して、おかしな所や悪い所がないかをチェックし、悪い所があれば修正していく作業のことです。

    語源の「”推す” or ”敲(たた)く”」にもあるように、最適となる表現がなんなのか・・・

    また描写や、ストーリ全体の内容までを吟味して、修正していくことを「推敲」といいます。

  • 「校正」

    校正とは、文章の「誤字・脱字」や「誤植」を見つけ、修正していく事が主な目的となります。

    なので、語句や文じたいの内容を変更するのではなく、単に(誤字などの)間違いを正していく作業になります。

    ※「誤植」とは、元々(手書き)の原稿と、印刷した原稿に違いがあり、印刷のさいに文字や記号に誤りが出てしまうことを指します。

以上が、「推敲」「校正」の意味となります。

ちなみに、作業段階としては、「文章作成」→「推敲」→「校正」といった段階で進めていくのが一般的です。

では、以下にそれぞれの例を示してみます。

推敲と校正 例

  • 【推敲・校正前の文章】

    あるサラリーマンの佐藤は、今日ももくもくと働いていたが、突然部長に呼ばれた。部長はいきなり佐藤に怒鳴りつけた!

    おまえは、なぜ成績が上がらんのだ!

    その怒鳴り声を聞いて佐藤は愕然とした!

  • 【推敲後の文章】

    サラリーマンの佐藤は、ある日突然部長に呼びだされた。
    部長はいきなり佐藤を怒鳴りつけた。

    「おまえは、なぜ成績が上がらんのだ」

    あまりに突然のことで佐藤は愕然とした。

    「推敲のポイント」
    1:「サラリーマンの佐藤」と、個人が特定されているので、最初の「ある」は不要
    2:会話文は、「」内に設定する
    3:怒鳴り声の内容が記載されているので、「その怒鳴り声」は不要

  • 【校正後の文章】

    あるサラリーマンの佐藤は、今日も黙々と働いていたが、突然部長に呼びだされた。部長はいきなり佐藤怒鳴りつけた!

    おまえは、なぜ成績が上がらんのだ!

    その怒鳴り声を聞いて佐藤は愕然とした!

以上です。

文章を「推敲」するさいの7つのポイントとは

推敲のポイント

文章を「推敲」するさいには、いくつかポイントがあります。
そこで当章では、そのポイントを「7つ」に分けて解説していきます。

※具体的なポイントについては、下記記事で解説していますので、ぜひ確認しておいてください。

また、下記記事では「校正するさいのポイント」について解説していますが、下記記事を執筆した当時は、「推敲と校正」を同義としていたので、”推敲するさいのポイント” と置き換えて読んでも、全く問題ありません。

校正の意味と、文章校正をするさいの7つのポイントについてまとめてみた

文章を「推敲」するさいは、ぜひ上記記事にある「7つのポイント」を参考にして行うことをオススメします。

また、上記記事には記載されてませんが、チェックすべきポイントとして下記3つを追加します。

  1. テーマ(主題)がハッキリしている文章になっているか?

    読み手にとって、テーマ(主題)がハッキリしない「曖昧な文章」は、分かりにくいモノとなります。

    なので、読み手にハッキリと「文章のテーマ(主題)」を示し、さらに文章の内容が、テーマ(主題)から逸れていないかチェックするようにしましょう。

    こちらに関しては、
    最初に、その文章のテーマ(主題)を述べた上で、そのテーマに関する内容を記述していく「パラグラフ構成」がオススメです(詳しくは下記で解説しています)

    パラグラフ(paragraph)とは?文章の段落構成を最適化することで読みやすい文章にしてみた

  2. 論理的に矛盾のない文章になっているか?

    論理的に矛盾がある文章だと、それだけで読者は疑問を感じます。
    疑問を感じるということは、「分かりづらい文章」という事なので、ちゃんと論理的に整合しているのかチェックする必要があります。

    論理的とはどのような状態か・・・また、論理的に文章を書くポイントについては、下記で詳しく解説しています。

    三段論法を用いて、論理的な文章を作成する手順とは

  3. 同じような事を重複して述べていないか?

    同じような内容を複数記述することで、読者は「うっとうしい印象」を受けてしまいます。
    なので、意味が通じる場合は、なるべく重複している事を述べないようにしましょう。

    そうすることで、簡潔でスッキリとした文章になります。

以上です。

まとめ

今回の記事では、「推敲と校正」の違いについてと、文章を「推敲」するさいの7つのポイントについて、順に解説してきました。

「文章」を作成・提供する人にとって、推敲や校正はただの確認作業ではありません。
文章の品質を上げるための、重要な作業の1つなのです。

この認識を持ったうえで、推敲作業をおこなっていきましょう。

また今回は、文章をチェック・修正する「推敲」に関して解説してきましたが、
「文章の書き方」についても、別途記事にて解説していますので、ぜひ確認しておいてください(下記)

文章の書き方で4つのポイントを守ったら、1記事で1日500人以上の方に読まれるようになった

文章力(説得力)を向上させるためにやっておくべき「13の基本」についてまとめてみた

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